野村胡堂・あらえびす記念館

ごあいさつ

 

当館は、『銭形平次捕物控』に代表される作家「野村胡堂」、

音楽評論を通して西洋音楽を日本に広めた「あらえびす」、

苦学した経験から晩年に野村学芸財団を設立した「野村長一」の多大な業績を顕彰し、

多くの著書やSPレコード等の貴重な文化遺産を永く保存し、芸術・文化の振興に資するため、

胡堂が生まれ育った地に建立され、今年で27周年を迎えます。

 

私自身、中学生の頃、ベートーヴェンの交響曲第5番のレコードと出会ってから、

音楽に夢中になり、あらえびすのレコード評を何度も読み返したことを記憶しております。

情報の限られた時代に、音楽の大海原を導く道標でありました。

そして、その感動を子ども達にも伝えたいと音楽教育の道を歩んで参りました。

 

このたび、当館の運営に携わらせて頂く機会を得ましたことを光栄に存じますとともに、

職責の大きさを痛感しております。

 

SPレコードをはじめとする貴重なコレクション、類まれなる施設環境、

そして野村胡堂の高い志に満ちた当館の特色を最大限に生かし、

時代の変化にも応じながら、より多くの皆様にお喜び頂けるよう努

めて参る所存です。

ご来館を心よりお待ちしております。

 

  令和4年4月1日

   野村胡堂・あらえびす記念館 館長  岩 崎 雅 司