野村胡堂・あらえびす記念館 ― 胡堂が残した未来への遺産 ―

野村胡堂・あらえびす記念館 館長 野村晴一

館長 野村晴一  紫波町初の名誉町民野村長一(おさかず)は、明治15年に紫波町(当時の大巻村)に生まれ、新聞記者時代を経て、作家活動に入りました。銭形平次捕物控383編をはじめ、数々の大衆小説、少年少女読み物などを執筆し、また、あらえびすのペンネームを使って、日本のクラシック音楽の黎明期に、その先駆者として大きな影響を与えました。晩年に私財を投じて、若い人材の育成と新しい文化の育成を目的とした「野村学芸財団」を創設しました。
 この野村胡堂・あらえびす記念館は、同氏の直筆原稿をはじめ、数多く蒐集されたレコード、著書、書画等貴重な文化遺産を末永く保存し、文学・音楽等の芸術・文化の振興に資するため、平成7年6月にオープンしました。近くに清流北上川が洋々と流れ、北には岩手山が悠々とそびえ、そして西には生家が眼下に眺望できる景勝の地に建設されています。胡堂文学あるいは、あらえびすを通じて音楽に親しむ多くのみなさんが、生家が一望できる小高い丘の上に建設された記念館を訪れて、展示されている数々の貴重な資料、そして、胡堂・あらえびすの生涯に触れることによって、日本文化の真髄の一端をかいま見ることを願っております。