【 名曲喫茶あらえびす * 冬 】
2月11日(火・祝)14:00~15:00
「音楽と随筆 ~オール ベートーヴェン プログラム~」
当記念館に収蔵しているSPレコードの中から
今年生誕250年を迎えるベートーヴェンの名盤を
蓄音機で鑑賞する、1時間だけのコンサート。
会場は、
昭和63(1988)年まで東京の高田馬場にあった
クラシック音楽専門の喫茶店「名曲茶室あらえびす」で
実際に使われていたソファーやテーブルを設置。
昭和の雰囲気を味わいながら
クラシック音楽を楽しんでいただきました。
お陰さまで店内は満席!
たくさんのご来店、誠にありがとうございました!
また、今回は、紫波町出身の舞台役者
吉田和希さんの朗読で
胡堂の随筆や音楽・レコードにまつわる
さまざまなエピソードを紹介しました。
朗読の吉田和希さんは、東京で芝居の修行をされたそう。
「本業は、ぶどう農家なんですよ~(^^;」と。
素晴らしい朗読でした!!!
吉田さんと相談し、胡堂をイメージした和服で登場して頂きました。
背景の障子が、良い雰囲気を演出してくれてます!
プログラムは、
取り上げる随筆などにあわせて
全てベートーヴェンの作品を選曲しました。
(はじめに)
♪7つのバガデルより 第3番
「胡堂」「あらえびす」 ―随筆集『胡堂百話』より抜粋
♪ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」第1楽章
レコードと生活(前) ―随筆集『音楽は愉し』より
♪君を愛す
レコードと生活(後) ―随筆集『音楽は愉し』より
♪弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」第2楽章
野村胡堂とあらえびす(対談) ―随筆集『音楽は愉し』より
♪劇付随音楽「アテネの廃墟」より「トルコ行進曲」
英雄ベートーヴェン ―音楽評論書『クラシック名盤 楽聖物語』より抜粋
♪交響曲第6番「田園」第1楽章
地球は回転する ―随筆『音楽は愉し』より
♪7つのバガデルより 第6番
プログラム終了後にアフタートーク!
(予定時刻を少しオーバーしちゃいました…)
「 ”地球は回転する” は胡堂のレコード音楽に対する考え方がよく表れている」と
お話くださいました。
ベートーヴェンのレコードを持つ作山学芸員と、胡堂の音楽評論書を持つ吉田さん。
この様子は、紫波新聞(令和2年3月号)で紹介されました!
吉田さん、すばらしい朗読をありがとうございました!
とても好評だったので、また朗読してもらいたいな~・・・♪
最後に、音楽評論家・あらえびすの文章を紹介。
随筆集『音楽は愉し』より「地球は回転する」抜粋
『実演そのまま』ということをよく聞くが、
理想としてのレコード音楽は、実演そのままではいけない。
レコードの吹込みは、楽器の扱い方や、種類や、音色、音量の加減や、
その他の条件に、かなり自由が許されるはずであるから、
将来のレコード音楽は、実演以上の効果をあげ、
実演以上の感銘を与えるものでなければならぬと思う。
( 中略 )
少なくとも、プログラムとアーティストとを圧迫されないだけでも、
私は実演よりは、レコードの方に、安らかさと、高さを見出している一人だ。
― あらえびす
2020.3.31 skym